アルニカの物語
どんなアクシデントのときでも、まず初めに摂りたいレメディです。
突然の事故、怪我、ショック、脳卒中などどんなときにでも。
スイスやドイツなどのヨーロッパの高山に咲くアルニカは、
その昔は心臓の弱かった音楽家がお茶にして飲んでいましたが、
毒性があるためか、
内服としてはホメオパシーで使われているのみです。
しかし、クリームなどの外用薬としてその人気は高く、
とてもメジャーなアルニカ。
民間療法として400年以上前から伝え続けられています。
大きな事故の後も、「私は大丈夫だから放っておいて!」と
包帯ぐるぐる巻きで痛々しくても人を寄せ付けない、
または触れられたくない人にピッタリなアルニカ。
ここまで放っておいて欲しい理由は?
それは体に傷を負うことから揺れ動く
本能的な「尊厳」が大きく関わるためです。
ささいな怪我であっても看病してほしくて仕方がないタイプでは
ないのですよね。
それにしたって、小さな怪我でも体にとっては大けが!
それを体は「触らないで!」と表現しているのです。
自然界での動物というのは本来怪我をしたら、
ジーっとうずくまって、
その傷が癒えるのを待ちます。
怪我をしていれば、その間に
他の動物の獲物になってしまう確率が高くなります。
だから、怪我をした足を引きずって逃げようとし、
「近づかれたくない」という反応をします。
人間も本来はそういった防衛能力を
持っているのですが、
特に怪我をしたときに
放っておいて欲しいと表現する人には
アルニカが役立ちますね。
そうでない人でも、
先ずはアルニカ。
体に残ってしまった震えるショックを
レメディという箱舟に乗せて遠くへ放ち、
その後の回復を数倍早めてくれます。
アルニカを初めて使った方や
その治療に携わる外科医たちは
その回復の速さに驚くばかり。
アルニカは知らない人でもホメオパシーの魅力が深く伝わり、
感じられるそんなレメディです。
マテリア・メディカ
全体の特徴:最近のもの、過去のもの、精神的、身体的、あらゆるトラウマに。血液に作用する。出血傾向。打撲の痛み。体中の筋肉が非常に打撲したようにヒリヒリする。激しい衰弱。極度の疲れ。寝床が固く感じられる。脳卒中。外科的手術。血栓症。
悪化:損傷、打撲、接触
好転:横たわる、大の字に横たわる
精神:触られる、近づかれることへの恐怖。じっとしていられない、自分は大丈夫だと言う。突然の恐怖で目が覚める、特に事故の後。昏睡
頭部:高齢者のめまい、吐き気。頭部の損傷に起因する髄膜炎
目:目の充血。網膜出血。披露して重たく感じる。右目が突出して左より大きく見える
耳:耳からの出血。頭部の損傷から聴力が正常に機能していない。甲高い音に敏感
鼻:咳のたびに、洗顔後に出血
顔:血色のよい、充血した。脳卒中の場合青みがかった赤色。膨らんだ赤い頬
口:極度の口臭。乾燥してほとんど黒く見える舌
胃:腐った卵の味。日中の食欲喪失、しかし深夜の犬のような食欲。赤黒い凝血の嘔吐。悪臭の漂う嘔吐。胃の後ろに塊がある感覚。酢を切望
腹部:みぞおちから腸にかけての激しい痛みと臭い便。便に血が混ざる。放屁は腐った卵の匂い。排便後は横にならなければならない。脱肛はほんの数分歩いただけで悪化
泌尿器:激しい活動のし過ぎから膀胱の閉尿
女性:産後の幹部の痛み。胎児の動きに耐えられない、吐き気と嘔吐を催す。性交後の出血。転んだことによる流産の恐れ。
呼吸器:子どもはゼーゼーいう咳の発作前に泣く。咳による充血と鼻出血。胸部の縫われるような痛みのために息が出来ない>圧迫で改善。
心臓:鼓動で全身が揺れる。激しく走ったことによる心臓への負担。心臓の痛みは左から右へ。作業後の動悸。
首・背中:首の筋肉が弱い、首が後や横に倒れる。頸椎に圧痛。
四肢:四肢が打たれたように痛む。手の血管の拡張。骨盤近辺の打撲したような痛みのため背筋を伸ばして歩くことができない。膝ヒグローマ。
皮膚:浅黒くしみだらけ。ささいな傷がすべて青黒いしみになる。
非常に痛いニキビや小さなせつ(おでき)の集まり。対照的に出る発疹。丹毒(皮膚の化膿性炎症)床ずれ。
睡眠:ぼんやりとした嗜眠状態(意識障害)
熱:身体の下になっている部分が冷たい。間欠熱、腸チフス、敗血症、
創傷熱
補完レメディ:Acon. Calc. Nat-s. Psor. Rhus-t.
関連レメディ:Bell-p. Echi/ Hyper. Rhus-t.